ANAのマイルの有効期限が迫っていたので、トクたびマイルを使って8年ぶりに沖縄へ行ってきた。
海外と異なり、日本国内の旅行は大した準備もしなくても行けるから便利だ。とはいえ、まだ行ったことのない所に行きたい私は、極力これまでの沖縄旅行とは異なるルートで行きたかったので、岩国錦帯橋空港を利用し、今回はレンタカーを使わずに公共交通機関だけで行きたいところへ行ってみた。
岩国空港は米軍岩国基地の中にある。というか、米軍基地の一部を間借りしているような感じを受けた。そのため、写真や動画撮影は一切禁止。戦闘機が窓から間近に見たときはテンションが上がった。民間空港とは違う緊張感があった。

約2時間弱のフライトで沖縄本島が眼下に見えてきた。嘉手納基地と普天間基地がはっきりと見えた。市街地に囲まれた広大な普天間基地はは印象的だった。
この日は北風だったので飛行機は摩文仁の丘のある南部を旋回し、那覇空港に着陸した。
沖縄に来るたびに思うことがある。それは、懐かしいふるさとに帰ってきたような錯覚だ。本土で感じていたような師走の慌ただしさがなく、ゆっくり時間が流れている感じを受けた。

首里城にゆいレールで向かう。初めて沖縄に来た時に訪問したことがあったのだけど、その時は正殿を見ていなかったのだ。6年前の火事で消滅。しかし、再建が進んでいて、来年には一般公開されるようだ。工事中の正殿をみることができたのはせめてもの救いだった。正殿の正面玄関が西の方を向いているのが気になったので警備員に聞いてみたら風水の影響だと教えてくれた。
昼食を抜いていたので、地元の人の御用達という食堂で早めの夕食を取る。そーめんちゃんぷるを注文したのに、なぜかふーちゃんぷるが出てきた。まあおなかがすいていたので細かいことは抜きにして頂いた。

翌日は北部の美ら海水族館まで高速バスで向かう。高速バスといっても乗っている時間の半分以上は一般道。約2時間で美ら海水族館のある海洋博公園に着いた。ここは日本人よりも外国人の方が多かった印象。中国語が聞こえたが、今は中国からの飛行機が激減していると聞いていたので、台湾だろうか。家族連れに何度も行く手を遮られ、落ち着いてみることができなかった。ジンベイザメのいる水槽はスケール感の違いに圧倒された。もっとも、私は水槽を見てい喜んでいる観光客を見ていた。最近は一歩引いた立場から物事を見るようにしている。

その後、海岸を北に歩いて向かうとエメラルドビーチに出た。沖にある伊江島の中央の山の形がユニークでしばらく見ていた。沖縄では10分くらいぼーっと海を見ているだけで意識がフローしてくる。つまり、何か大きなものと繋がった感覚を持つのだ。自然の中で何も考えないでいる時間。こういう時間が私には必要なのだ。

帰りのバスの時間が気になり、備瀬のふくぎ並木に行くか、今帰仁城に行くか迷っていた。旅先で判断に迷ったときは直感に従うようにしている。ふくぎ並木に向かった。そこは観光客はまばらでゆっくりと散策をすることができた。お店の人は商売あがったりで困ったような顔をしていたが、私のような一人旅にとって、観光客が少ないということは人の目を気にしないでゆっくりできるので、とてもありがたいことだった。
近くの高級ホテルのバス停まで歩く。歩いてやってくる観光客が珍しかったのか、ベルガールのスタッフが不思議そうに見つめてきた。「今帰仁城に行くバスはここから出ている?」と聞くと、調べてくれた。バスが遅れていたので今帰仁城まで行くバスに乗れそうだった。しばらく、他愛のない会話を楽しむ。こういう会話を楽しめれば、一人旅の寂しさはない。ここから見えるエメラルドグリーンの海の先に見える伊江島の光景は今回見た中で一番美しかった。もう少し稼げるようになったら、こういうグレードの高いホテルに泊まってみたい。

今帰仁城は2回目。沖縄の歴史について詳しく知ろうと思ったら、北部と中部、そして南部にあるグスクを回ってみるのがいい。グスク時代と呼ばれる沖縄の戦国時代には北山、中山、南山の三山の争いが続いていた。その北部の王の拠点だったのがこの今帰仁城だ。北の海の方を向いて作られているので、景色は最高。ベトナムのミーソン遺跡のようだと思った。海だけでなく、山にも神聖なものが宿っているのだろう。
帰りのバスは渋滞に巻きこまれ那覇市内に戻るまで3時間かかった。ヘトヘトになったが、宿に大浴場がついていたので回復も早かった。気温20度くらいだったけど、お風呂は気持ちがいい。風呂上りのオリオンビールが最高だった。

3日目は夕方の飛行機まで時間があったので、どうやって時間をつぶそうか迷っていた。まず公設牧志第一市場に向かった。新しく建て替えられていて綺麗になっていた。日本人より台湾や中国の観光客の方が商売になるのだろうか。お店の看板のほとんどが中国語で、中国語が飛び交っていた。3階の食堂でまだ食べていなかった沖縄そばを食べる。あっさりしていて美味だった。

その牧志公設市場のすぐ近くにあったミヤギミートというスーパーで食材やお土産をたくさん購入。ここは空港で買うよりも同じものを安く買えることでひそかに有名なのだ。なので最終日にここでまとめて購入するのが経済的だと思う。全国発送も対応してくれるようだ。

あと2時間くらい時間があったので、沖縄県立博物館・美術館に向かう。ここが思ったより面白かった。博物館では沖縄、というより”琉球”といった方が正しい、の歴史を神話から戦後の今日に至るまで分かりやすく説明している。琉球の人たちの信仰、グスクのこと、日本の侵攻、琉球処分、沖縄戦、米軍統治、そして今の沖縄県。特に印象的だったのは中国大陸の側に立った視点からの沖縄の置かれている位置を体感できた中央部分にあった展示だ。視点を変えると正しいと思っていた主張もそうではないような気がしてきた。沖縄は日本の主権が及ぶ地域ではあるけれども、必ずしも喜んでいる人たちばかりではないことが少し分かった気がした。日本の都道府県の一つだけれども、意識の上では100%そうではないような感じ。地政学の力のバランスが崩れる中で、仕方なく、日本の一部に置かれてしまったため、地上戦の悲劇と米軍統治が起きてしまった。展示を見ていてそう感じた。
那覇空港では青いサンタの帽子を被ったグランドスタッフがいた。そういえば今日はクリスマスイブ。クリスマスイブを温暖な地で迎えるのも、飛行機に乗るのも初めての経験。もっとも、キャビンアテンダントは、これから忙しい年末年始がやってくるのが億劫なように感じられるアナウンスをしていた。
再び岩国空港、ではなく米軍施政下の岩国基地に戻る。広島空港よりも便利な場所だけれども、ここも日本ではないような感じ。岩国でも轟音を立てて飛び立つ戦闘機。本土では沖縄ほどの基地負担ではないけれども、日本の主権は完全なものではなく、実際にはアメリカの大きな力の下にあるような感じを受けた。そう思うと、数か月前、新しい女性総理がここにきて、米軍兵士を前にありったけの笑顔を振りまいていたことに何か違和感を感じた。
やっぱどんな形であれ旅は楽しい。来年も旅を続けようと思う。







































































































